アレチヨモギ〈新称〉

Artemisia ordosica Krasch. キク科

 2019年11月9日、山口植物学会は山口県防府市上右田の三谷森林公園で帰化植物を調査した。そのとき、南敦は道端に高さ約30cmで茎の根元から深く分裂した葉を出した株を見つけた。緑色の葉は非常に深く分裂し、裂片は糸状ないし針状であった。茎が紫紅色~褐色で油を塗った感じがあり、『中国雑草原色図鑑』(2000)の黑沙蒿、油蒿、『中国高等植物図鑑第四册』(1975)の黑沙蒿に相当すると考える。名前は本種が中国で砂丘や砂礫地に生育していることによる。写真の標本は山口県立山口博物館に納めてある。花序の写真は茎先が刈り取られたもの。  (南敦)

山口県防府市上右田 2019年11月9日 南敦撮影

山口県防府市上右田 2019年11月9日 南敦撮影

花序 山口県防府市上右田 2019年11月9日 富永啓介撮影

 山口県防府市上右田 2019年11月30日 南敦採集・撮影

山口・琉球等帰化植物図鑑 2020