バクヤギク

Carpobrotus chilensis (Molina) N.E. Br. ハマミズナ科

 原産地は南米のチリ~アルゼンチン。世界の沿海地に拡がっている。観賞用に栽培されることもある。中西弘樹『長崎県植物誌』(2015)に記載がある他は文献に乏しい。近年日本に帰化したと思われる。インターネット上では千葉県、愛知県、島根県、福岡県、長崎県などからの情報があり、海岸にかなり野生している。茎は分岐しながら地表を這って旺盛に広がる。マツバギク【1巻P.14】に似るが、葉は一辺約1cmの三角柱状で先が尖り、長さ約8~10cmとかなり大型である。対生した葉の葉腋から花枝を出し、頂花をつける。花は直径6~8cmの紅色。朝開き、夜は閉じる。花後、花柄の両脇から新芽を出す。光市の牛島、室積松原、象鼻ヶ岬などの海岸で群生が見られるが、光市のものは果実が見られない。  (富永啓介)

山口県光市室積 2018年4月30日 富永啓介撮影

山口・琉球等帰化植物図鑑 2020